【夏期連載】第二回『社会現象を引き起こしたちゃった二人+一匹衆』
昔なつかし、あの頃「ひえ~」となった
都市伝説上のモンスターたち☆
想定外に暑くない夏真っ盛りの今日この頃。まったく冷える必要もなさそうですが、こんな時だからこそ、ぬるーく冷えるものいかがですか!?
その昔「ひえ~」となった懐かしのモンスターをまたまたご紹介。今回は社会現象を巻き起こしたみなさんを集めたので、社会的混乱度をつけてみました。「懐かしい~」でも「うわっ、全然知らないけどマジっすか!?」でもOK。とにかく、ぬるい気分を存分に味わってください!
エントリー№1
☆赤マント☆ 社会的混乱度★★
【概要】
赤マントを被った男が小学生を神隠しに。ここから、少女だけを狙うという説や、<赤マント青マント>や学校の怪談である<赤紙青紙>などの派生ができた。
<赤マント青マント>
学校の放課後に夕方遅くまで残っていた時にトイレへ行くと、赤いマントの男がおり「赤いマントと青マントどちらがいい?」と尋ねてくる。
「赤いマント」と答えれば、刺されて真っ赤になってお陀仏。
「青いマント」と答えれば、血を抜かれて真っ青になってお陀仏。
<赤紙青紙>
学校の放課後、暗くなってきた頃にトイレに行って用をたすと、紙がない状況に陥る。すると「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」と、親切に聞こえなくもないことを問う。
「赤い紙」と答えれば、全身の血が噴出しておだぶつ。
「青い紙」と答えれば、全身の血を抜かれおだぶつ。
【流行った時代】1930年頃から
【社会現象】
大阪では警察が同タイトルの紙芝居を押収する騒動に。ただ、こちら、内容は差しさわりのないものだったにも関わらず押収されたため、さまざまな噂の発信源になるとして取り締まられた媒体のひとつではないかとの考え方もある。
【背景】
明治39年に福井で実際に起きた、不気味な未解決事件が元になっているという説が有力。「青ゲットの男事件」と言われるもので、創作ではないかと疑いたくなるほど不可解な事件だ。そのため、未だに話題があがるほど。興味を引かれる人は多く、事実この事件をモチーフに松本清張も作品(『家紋』)を残している。
【出没場所】
<赤マント>
各地の道路。こちら通学路とは限らず、神出鬼没。
<赤マント青マント>
夕方の学校トイレ。(男子トイレのみという説もあり)
<赤紙青紙>
夕方の学校トイレ。
【対処法】
<赤マント>
遭遇したら、全速力で逃げる。多分、追いつかれない。また、自ら興味本位でついていかないようにすることが大事。ハーメルの笛吹きだって、ついて行ったら帰って凝れなかったわけだし。そこ、注意。怪しい人にはNO好奇心でよろしく。
<赤マント青マント>
「黄色いマント」と答えるとOK。答えずに逃げると、しつこく問いかけてくる。どうしても答えて欲しいようだが、「黄色は選択肢にねぇよ!」といったツッコミができるタイプではなく、案外諦めがはやいのが特徴。
<赤紙青紙>
他の色を答えると消えてしまうなどの説があるため、「なにもいらない」と答えるのがベスト。
【スペック】
<赤マント>
・ただの不審者かと思うほど、格好以外普通。ただ、神隠しがうまいため、奇術師的な、不思議なイメージを持たれている。
<赤マント青マント>
・とにかくどこまでも執拗に追ってくるだけあって、そこそこの身体能力と体力、根性を携えている。隠れているのを見つけるのもうまいので、かくれんぼやカンケリの際には強い味方となりそうだ。
・武器は包丁、ナイフ。そして、血を抜く機械を持っているらしい。少女少年文庫に出てくる怪人ぽいイメージ。
<赤紙青紙>
・風貌、武器ともに不明。
エントリー№2
☆口裂け女☆ 社会的混乱度★★★★
【概要】
黒髪にマスクをしている一見美女のモンスター。小学校から帰宅する子どもに声をかける。第一声はだいたい「私、キレイ?」。「キレイ」と答えればマスクを取り外し「これでも?」と耳まで口が裂けているのを見せ、追いかけてきて殺害しようとする。しかし、「ブサイク」、「ブス」と答えると、憤慨し、その場で殺そうとするらしい。褒めてもダメ、けなしてもダメというこじれっぷり。どうして欲しいのかまったくわからない、かなりのヤンデレ困ったちゃん系モンスターだ。
【流行った時代】1979年頃
【社会現象】
目撃情報からリアルにパトカー出動、警察によるパトロール配備、集団下校、学校からの注意勧告プリント配布。と、全国規模で世間を震撼させたという華々しい経歴を持つ。
【背景】
岐阜から流行ったとされる。子どもを塾に通わせられないため、親が口裂け女の話をしてみたところ広がったという説や遊んでいる子どもをはやく帰宅させる方法で吹き込んだという説がある。また、古くは大正時代に岐阜在中の女性が恋際相手のもとに行く際に、白装束でおしろいを顔中に塗り、蝋燭を頭に二本立てて走っていったというエピソードが変化したのではという説も。そして、そっちのほうがよっぽど怖いと思ったのは私だけだろうか。
【出没場所】
全国どこでも(建物の中以外)、主に小学生が使用する通学路。数字の三がお気に入りなようで、三軒茶屋、三鷹など三のつく地名に出没すると言われることも。
【対処法】
好物のべっこう飴を渡すと夢中になるため、その隙に逃げられる。「ポマード」と三回唱えると去っていく。「キレイ?」と聞かれた際に「普通です」と答えると、悩んで動きが止まるため、その間に逃げる。
【スペック】
・100メートル3秒。ボルトもビックリの俊足。
・美人だが、長身で2メートルを越すとか越さないとか。20代前半との噂。
・美容整形に失敗したとの説アリ。
・好物はべっこう飴と質素。
・武器は大きなハサミ、鎌、包丁とやる気に満ち溢れている模様。
エントリー№3
☆人面犬☆ 社会的混乱度0星 ただし、出会った際の困惑度は★★★
【概要】
最初の目撃談とされるものは主に2つ。
① 高速道路を走っている車を時速100キロメートルで追い抜く。それを見た人は犬がいることに驚き、続いて顔が人間であることに驚愕して、事故を起こしてしまう。
② レストラン裏でゴミを漁っている犬を追い払おうとしたら、振り向いて「ほっといてくれよ」と言った。
ここから、身近な場所にうつる。「通学路で見た」などである。一説によるとどんどん北上して行き、消息不明になったとされているようだ。
【流行った時代】1989-1990年
【社会現象】
ワイドショーや雑誌で取り上げられるなど、大流行。この後、人面魚など人面○○を定着させることに。
【背景】
江戸時代から人面の妖怪や動物×人間という不思議生物のエピソードは多数ある。このことを踏まえ、人面犬は「マジックで眉毛を犬に描いて眉毛犬を作ったというエピソードが雑誌に載ったこと」から、自然に昔ながらのエピソードとくっついて、どんどんカタチを変えながら人面犬という新しいモンスターが生まれたという可能性が高い。
【出没場所】
・全国道路
・高速道路
・レストランの裏手のゴミ捨て場
【対処法】
・そっとしておく
・車に乗っているとき見かけても、気にしない
【スペック】
・顔がおっさんの犬
・人語を喋る
・哀愁がある
・見つけると「ほっといてくれよ」という言葉をぼそっと口にする。この他にも「なんだ、人間か」や「勝手だろ」というパターン。「うるせぇ」とキレるパターンも存在する。
・時速100キロメートルで車を追い越す。
・実験の失敗。遺伝子操作による産物。生物兵器。バイオテクノロジーの実験により作り出されたが逃走した。などなど、人面犬の出生については諸説ある。
社会現象になったモンスターたちはいかがでしたか? 今では小学生たちに本気で怖がられることはなくなったのかもしれませんが、妖怪ウォッチやらホラー映画やらで、まだまだ生き残っています。大流行したのものは、なかなか残りにくいものですが、モンスターたちは定番化されて意外と愛されているんですね。次回は定番化されたアノ人と新参者のアノ人に登場していただきます。モンスター界の美少女バトルをどうぞ期待くださ~い☆
文/岸リア子
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